受水槽設備について
2017.08.01 賃貸管理
さて今回は、よくマンションやアパートに多く設置されている【受水槽設備】についてお話をさせていただきます。
【受水槽設備】は、本体が大きいのに地味であまり気にされない方も多い設備です。
そもそも【受水槽設備】ってなんだ?という所からまず説明をします。
【受水槽設備】とは、『貯水タンク』・『給水ポンプ』・『給水菅』の大まかに3つの構造で組み上がっています。
役割としては、ビルやマンションなどは多くの人達が水を使用しますので、
敷地に敷かれた水道管1本の能力ですと、給水量と水圧が低下するため、各戸に十分な水が給水されなくなってしまいます。
その給水不良を防ぐために、一旦タンクに溜めて、給水ポンプにより水圧を加え、各戸に給水するための設備です。
建物の屋上に設置されているタンクは、高架水槽と呼ばれています。
給水される水は、もちろん飲み水にも使用される為、衛生面での管理は非常に重要です。
【受水槽設備】について、法律のどの部分の区分けになるかといいますと、『水道法』になります。
マンションやビルにおりますと、受水槽清掃のお知らせの貼紙を見たり、通知を受けた事があるのではないかと思います。
受水槽清掃は、年に1回の実施とタンクの規模により、水質検査の法定点検をしなければなりません。
※貯水槽の有効容量が10立方メートルを超えるものは「簡易専用水道」に分類され、
水道法による水質検査などの衛生管理が義務付けられています。
これまた厄介なもので、先ほどお話ししたように地味な設備のため、清掃し忘れる所有者が多くおられるのも事実です。
常に清潔で安全な水質を維持しなければなりませんので、維持も大変ですが、ライフラインの水ですから、何かあった時は非常に大きな問題に繋がります。
考えられるリスクは、タンクや配管の劣化による異物や生物の混入、給水ポンプの故障があります。
その様な事態に直面した時、利用者への対応やフォローが大変なものとなります。
あと余談ですが、小規模の建物及び水道本管の水圧が高い地域限定になりますが、
受水槽を撤去し建物の給水管と本管を直接繋ぐ直結工事を実施させる所有者様がここ10年くらいで増えています。
直結の工事ですので、初期の工事費は少々金額が掛かりますが、毎回のメンテナンスコストの削減や、衛生面においては非常に効果的な方法の一つです。
こういった地味な設備ほど、トラブルになった時の影響力は大きいです。
常日頃からしっかりした管理下において置けば、トラブルも未然に防ぐことができますし、入居者や、利用者に安心な水を提供することができます。
もし、清掃や点検をし忘れてしまっている方などおられましたら、一度確認をしていただきたいと思います。