逆ドーナツ化現象
2017.09.08 不動産投資
私は先日、実家のある大阪に帰った時に、友達と一緒にその子供が通う小学校へお迎えに行きました。
小学校は淀屋橋・本町というビジネス街に近い場所にあり、大阪の中心部に位置しています。
私のイメージでは少子化と言われているので、子供の数は少ないんだろうなと思っていました。
しかし下校時間になって門から出てくる子供たちの数に私は驚きました。
聞くとこの小学校は年々児童数が増え続けていて、教室は不足し、児童に対してのグラウンドの面積が狭く、運動会はなんと大阪ドームで行っているそうです。
戦後の高度経済成長で大都市の中心部の土地の値段が高騰し、生活環境も悪化して、住人たちは都心から数十キロ圏内の周辺都市へと移っていきました。
人々は満員電車に揺られて会社や学校に通い、夜になるとまた電車に乗って自宅へと帰っていきます。
人口分布はまるで真ん中に穴の空いたドーナツのようになり「ドーナツ化現象」と呼ばれました。
しかし、近年は「逆ドーナツ化現象」=「都心回帰」が起きています。
核家族化が進み、今までのような広い住居が必要なくなったことや、高い家賃やローンを払っても、通勤時間の短縮などのメリットを優先する人が増えてきているためです。
都心を選ぶのは若い世代だけではありません。郊外から都心に移住する高齢者も増えています。
これまでは郊外の庭付き戸建て住宅に住んでいた高齢者にとって、もう子供部屋は不要です。
また歳を取れば取るほど、広い敷地は掃除などの管理が負担になります。
そこで、住み慣れた郊外の住宅を引き払い、便利な都心の集合住宅を選ぶようです。
この都心回帰は主に東京・大阪・名古屋で顕著にみられています。
収益物件を選ぶ上でも、この人口分布の変化は重要なポイントになっています。
郊外の高い利回りの物件を購入しても、その後入居がつかなければ利益どころか持ち出しが増えてしまいます。
であれば、利回りが多少低くても都心から通勤60分圏内のできるだけ都心に近い物件の方が、投資としては有益ではないでしょうか。